春眠暁を覚えねど 2020-05-31

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ステイホームが長かったですね   
子ども達が バタバタとそれぞれの時間に登校することがなくなった間
私はよく眠れるようになりました
普段は 寝る前に次の日の予定をしっかり頭にたたき込んで休まないと 各方面にミスが出ます
何気ない日常ではありますが 小さな予定に急き立てられるように過ごしていたようで 
その予定が ぱったりと無くなったからでしょうか

それなのに 一人異様に朝の早い人がおられまして
困ります 
最近は4時には外は明るくなってきますからね
日の出よりも早く起き出すのもどうなんでしょう 
抜き足 差し足 忍び足で部屋を出てくれます 
そっと台所へ行く気配 水道の蛇口をひねってお水を飲んだり 洗面やお手洗いを済ませたり
かなり気を遣っているのがわかります 
年季が入ってきた廊下が 住職が気を遣って一歩 歩く度にギ~ッ ギ~ッと鳴るのです 
私は「 気のせい 気のせい 」 
目を開けないで もう一度眠りにつきたいけれども 
最近は それも一旦気がついてしまうと再び眠りにつくことは出来ません
「 あと、せめて30分眠りたかったのに、、、 」 と思うときの無念さよ
この日も私は 名残惜しく布団を抜け出して 湯を沸かしお茶を淹れて本堂の住職の処へ運ぶのでした

ところが 雨上がりの早起きは
本堂から庭を望むと 地面からは水分が立ち上って
そこに朝陽がさして
「 ここは 何処か 」と忘れてしまうような景色

昔 佐賀でご年配の先輩方がお集まりの聖典学習会に参加させていただいていました 
一人若輩の私はちんぷんかんぷんながら 許されて一番後ろに座らせていただいていました
その時のご縁のお方から
「 あなたのお祖父様はお若いときに 某和上のお寺で勉強なさっていたから 」と
その和上様の阿弥陀経の本を送って下さいました
ずっと開くことも無く過ごしてきたのですが
ようやく読み始めたところです

この朝も ちょうど本堂の北側の山からは鶯のさえずりがきこえ
微風の中 光が雫を転がすような様子に
お浄土もかくや しばらく見とれてしまいました

〈 なんぢら衆生 まさにこの不可思議の功徳を称讃したまふ一切諸仏に護念せらるる経を信ずべし 〉

住職は
6月から始める『 歎異抄を読む会 』の準備を始めています
朝早くの方が落ち着いてまとめることができるのでしょう
こつこつと目を通し直しています

私はと言うと
春眠暁を覚えず ぶうたれて起きるのをお見通し?の如来様に
この景色をご用意いただいたが如く
甘えが抜けない相変わらず者ですが
ゆっくり阿弥陀経の講讃を読ませていただいています

5月に予定をしていた降誕会は岡山から山下義円先生をお迎えして 楽しみにしておりましたが それもコロナで泣く泣く中止
山下先生から元気をいただくつもりでしたのに 残念でした
ご門徒の皆さんとも なかなか一堂に会すことが出来ずに寂しい思いをしています

ご法事は どのご家庭もご自宅では三密になりがちですから
本堂で四方窓を開けはなし ソーシャルディスタンスを守りながら静かに行っています
このような先の見えない時期だからこそ 
お灯りと お仏花と 薫るお香のお荘厳の中で 静かにいただく仏法は青い光のように心にしみるようであります

「 西法寺だより 」をお送りしてからはお電話で近況をお知らせ下さる方々もいらっしゃって
声は聞けてうれしく 声だけなのでさみしく
長電話になってしまってお名残り惜しく
改めて距離を置かなくてはいけない不自由さをかみしめています

『 歎異抄を読む会 』への参加ご連絡もありがとうございます
お知らせいたしましたように6月28日(日)から始める予定です
テキストはお寺で準備いたしますが、筆記用具は必要に応じてお持ち下さい
そうそう マスクもお忘れなく

お便りさせていただきました 写経の手本と紙もまだお寺にございますので
必要な方はお立ち寄り下さい

さて 明日から6月です
学校も分散登校がはじまります
自粛生活が長かったのと 経験したことの無い大人達の緊張感の中の再開に 
子ども達はもっと緊張気味
我らお母さん方も 学校の先生方も同じく初めてのことばかり
しばらくは手探りで過ごすことになるのでしょう 
体調には気をつけつつ 焦らず落ち着いて 協力して参りましょう

なもあみだぶつ